甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
眉間に皺を寄せて、珍しくとても機嫌が悪そうだった。
「あ、暁斗? どうしてここにっ? 帰ったんじゃなかったの?」
「実行委員やってた教室の隣の図書室で花梨のこと待ってた。いつの間にか寝ちゃってたから、終わってたことに気づかなかった」
「え、待ってたって……」
二時間以上も? 私のことを、暁斗は待っていてくれたの?
たかがニセモノの彼女である私にそこまでしてくれたことが信じられず、私は目を見開いて暁斗を見つめる。
――すると。
「だって花梨は、俺の彼女だし」
暁斗は私の前に立って、断言するように言った。
まるで瞬くんの前に立ちふさがるように。
「俺の彼女」という部分を、特に強い口調で。
――違うのに。
私は暁斗の本当の彼女じゃないのに。
だけど、瞬くんに向かって彼がそう宣言してくれた瞬間、まるで本当の彼女になれたような気がして。
私はまた暁斗に、ドキドキさせられてしまったのだった。
「花梨。もう、文化祭実行委員終わったんでしょ」
「う、うん」
「じゃ、帰ろ」