甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
私の手首を掴んで、少し強引に引っ張って歩き出す暁斗。
私は慌てて自分の鞄を手に取って、彼に従う。
その拍子に、瞬くんの顔が見えた。
彼はさっきと変わらず、穏和そうな笑みを浮かべたままだった。
そういえばさっき、瞬くんは何を言わんとしていたのだろう。
なんかちょっと迫ってくるような気配があったけれど……。
まさか、そんなわけないよね。
だけど、暁斗が急に来て強引に彼の話の腰を折ったというのに、まったく気分を害した様子はない。
優しい彼の表情の底には、どこかぶれない強さのようなものがあるような気がした。
「しゅ、瞬くん。またね」
暁斗の行動はわけがわからないし、瞬くんがさっき言おうとしていたことも想像がつかないけれど、今後も一緒に瞬くんと仕事をする私は、このまま無言で帰っては気まずくなってしまうような気がした。
だから笑顔を作って彼に向ける。
――すると。
「ねえ、ふたりさあ。うまくいってないんじゃない?」
相変わらず人懐っこそうな笑みを浮かべたままの瞬くん。
だけど彼の言葉に、私の心臓は瞬時に凍り付く。