甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
――そして。
「俺たちはうまくいってるんで。心配無用だよ」
暁斗はぶっきらぼうにそう言い放つと、私の手首を掴んだままつかつかと早足で歩き、教室から出て行ってしまった。
そしてぴしゃりと大きな音を立てて扉を閉める。
そのまま昇降口へと無言で歩いていく。
よくわからないけれどただならない様子だ。
下駄箱の前にふたりでたどり着いたところで、暁斗はやっと私の手首を解放した。
さっきまで前を歩いていたから彼がどんな顔をしているのか分からなかった。
改めて見てみたら、瞬くんを睨んでいた時のような先鋭さはなくなっているものの、やはりどこか不機嫌そうだった。
「な、なんだったんだろうね瞬くん! 意味わかんないねー!」
重い空気が漂っていたので、それに気づかないふりをして私は能天気を装う。
すると暁斗は、神妙な面持ちで私を見据えた。
「花梨」
「な、何?」
「あんまりあいつに……瞬に、近づくな」
「え……」
暁斗にそんなことを言われたのは、初めてだった。