甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 暁斗はまったく興味無さそうに言う。

 まあ確かに、高校生にもなると近所付き合いなんてあまり気にならなくなる。

 遊ぶ友達も、近所の子よりも学校でできた友達が中心になるし。


「花梨。今日時間ある?」

「うん、あるけど」


 実行委員の仕事をしたのでいつもより少し帰りは遅くなってしまったけれど、このあと何も用事はないし晩御飯までにはまだちょっと時間はある。


「それならちょっと、付き合って」

「え……?」


 なんだろうと戸惑う私だったけれど、暁斗はそんな私の手を握って、優しく引っ張りながら歩き出した。


「ちょ、ちょっと。暁斗どこ行くの?」

「いいから。もうすぐ着くよ」

「え……。あ、ここ?」


 そんな話をしているうちに、暁斗が立ち止まった。

 たどり着いたのは、うちの近所にできたばかりのカフェだった。

 そういえば、最近家にオープンのチラシが入っていた。

 チラシに載っていたお店の外観はメルヘンチックでとてもかわいかったし、メニューのケーキもとてもおいしそうで、今度行きたいなあってぼんやりと思っていたのだけど。


「花梨、こういうとこ好きじゃん」

「えっ……!」


 お店のお洒落なドアの前で、暁斗が小さく微笑みながら言う。

 まさか暁斗、私が好きそうだからってわざわざここに連れてきてくれたの?
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