甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 常に優しい彼だけど、ごくまれにこうやってからかうような悪戯をすることがあった。

 そしてそういう時の暁斗は、決して引き下がらないんだ。


「う、うん……」


 だから私は、暁斗が差し出したフォークに刺さったケーキを、そのまま口に入れる。

 暁斗が少し前に、ケーキを食べるのに使ったフォーク。

 たかが間接キス、今どき小学生でも気にしないかもしれない。

 でも暁斗に恋焦がれている私にとってみれば、キスの一種だった。

 ますます頬が熱くなる。

 まずい。

 きっと今の私の顔、真っ赤になっているに違いない。


「じゃあ、次は花梨が俺に食べさせて」


 何が「じゃあ」なのかは全然わからないんですけど……。

 だけど暁斗はなんだか楽しそうだった。

 微笑まれながら彼に言われてしまうと、恥ずかしいことでも私はやっぱり断れない。


「う、うん」


 苺のショートケーキを一口サイズにカットして、フォークに差し出して暁斗の口元へ差し出す。
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