甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?

 ――なんでだろう。幼稚園の頃はそんなことなかったのに?


「とにかく抜け駆け禁止だよ! じゃあ私はピアノに行ってくるから!」

「い、行ってらっしゃい」


 抜け駆けって何……?

 意味が分からなかったけれど、瑠璃ちゃんは公園から駆け足で出て行ってしまった。

 瑠璃ちゃんが言っていること、本当によくわからないなあ。

 暁斗と仲良くしたら、どうして怒るんだろ。

 ――でも私は暁斗と楽しく遊びたいなあ。

 瑠璃ちゃんは帰っちゃったし、本人が見てないところなら別に仲良くしてもいい、よね?

 なんて、暁斗と一緒に居るのが楽しい私は、瑠璃ちゃんの言いつけをあまり守る気がなかった。

 ひとり公園に残された私。

 でも、暁斗がそのうち来てくれるだろう。

 それまでおままごとをすることにした。


「はーい! ごはんができましたよー!」


 椅子に座らせた、猫さんのぬいぐるみに向かって私は言う。

 外に持ってきてはいるけれど、大切なぬいぐるみだから汚さないように気を付けている。
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