甘すぎるキミと秘密のカンケイ!?
しばらくの間は「まってー!」「かえしてー!」と叫びながら走っていたけれど、そのうち息が切れて何も言えなくなってしまった。
体力の限界が来て、私は立ち止まってしまった。
膝に手を当てて肩で息をする。
――すると。
「つまんねーやつ。もういいわ」
まったく張り合いのない私との鬼ごっこに、すぐに飽きてしまったらしかった。
健太は見下したように私を見た。
そしてなんと、彼は持っていた猫さんを砂場に向かって投げつけたのだった。
宝物の猫さんが宙を舞っている光景が、スローモーションのように見えた。
暁斗がプレゼントしてくれた、何よりも大切な物。
このままでは砂まみれになってしまう。
だけど疲れ切った私は、動くことができなかった。
砂場に落ちちゃうよ……!
大事な大事な猫さんが汚れちゃう!
絶望した私は、呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
――しかし。
私の横を風のように何かが通り過ぎた。
え、と思っていたら次の瞬間私が見たのは。