君といっしょに

「……俺、結菜に嫌われちゃったかな…?」

ただただ悲しそうな表情をしたまま、
そう聞いてきた。


……嫌いになるわけないよ
だって、いつも私のこと一生懸命
考えてくれて、助けてくれる…陽翔のことを…………

…嫌いになんて……



「…昨日はごめんなさいっ
痛くて、苦しくて陽翔に酷いことをした

陽翔のこと大好きなのに……本当は手を握ってほしかった。

それに、注射は嫌だったけど、頭の痛みはなくなったし、陽翔のおかげだよ。
ありがとう。」


悲しそうな表情をする陽翔に
どう伝えたらよいかわからなかったから、
思ったことをそのまま言ってしまった。


すると陽翔は手をギュッと握ってくれて、

「……良かった、結菜に嫌われたんじゃなくて。本当に良かった。

たくさん寂しい思いさせてごめん。
今日は仕事終わりだから、昨日手を握れなかった分たくさん握らせて?」


そう言ってくれた。


温かい陽翔の手に握られて、
幸せな1日を過ごした。






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