策士な課長と秘めてる彼女 ~出産編・育児編~
実母の言葉に陽生の心も揺れる。

゛娘は可愛い゛

それも事実だが、陽生にとって日葵との大切な時間を脅かす、最も身近なライバルであることに変わりはない。

加えて、このところの睡眠不足だ。

もちろん日葵不足も・・・ある。

なんの連絡もなしに突然現れた身内三人(プラス一羽)に、

゛新たなライバル登場かよ゛

と、陽生は警戒したが、

日葵と二人で抱き合って眠れるという至福の申し出に、とても抗うことはできそうになかった。

゛仕方ない。こいつらの策に嵌まったふりをしてやるか・・・゛

素直ではない陽生ではあったが、内心は心から感謝をしていた。

「日葵、それなら少し休もうか」

正直、もう自分達だけでは限界を感じていた。

日葵の遠慮や戸惑いを感じて、陽生も焦っていたのだ。

「お義母さん、お義父さん、勇気くん。お言葉に甘えて少し横になります」

にっこり微笑む日葵の表情が、この選択が正しいと物語っている。

「行っておいで」

「ゆっくりね」

暖かい家族の言葉に、二人の胸は感謝の気持ちでいっぱいになりながら寝室へ消えていった。

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