策士な課長と秘めてる彼女 ~出産編・育児編~
「まあ、玲音が今までみたいに、成り行き任せで何も考えていないわけではないことはわかった。美暖の婚約者でい続けることも自ら望んでいることだと思っていいんだな?」

「えっ?パパ、それはちょっと・・・」

「はい、おっしゃる通りです」

美暖の言葉を遮って、玲音が同意をしてしまった。

「では、この話はこれで終わりだ。明日のことは明日に持ち越そう」

無理やり話を打ち切る陽生パパに、美暖が顔をしかめていると、

「美暖、辛かったね」

と、優しく抱き締めてくれる日葵ママ。

美暖は別にいじめられたことが辛いわけではなかった。

むしろ、正しい制裁が加えられて満足な結果だった。

しかし、玲音との婚約話が流れるという思惑が失敗に終わったことが腑に落ちないのである。

陽生パパと玲音の本音がわからない。

いったい美暖をどうしたいのか・・・。

「皆さん、ご飯の用意ができたわよ」

隣の本家から祖母の美佐子の声がして、完全にいじめの話題は立ち消えた。

すべては明日に持ち越し。

゛考えるのはそれからだ゛

割り切るのが得意な面々は、ぞろぞろと真島本家に移動して行くのだった。
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