海の向こうで
朱里は本当にいい子なのに、なんで海は拒絶するんだろう。
あーまあちょっと男好きなところはあるかもしれないけど。
でも私は朱里が好きだ。
「えーもうこんな時間だ!そろそろ帰ろっか!」
朱里がスマホを見て言った。
え、もう6時。
「ちょっと小走りで行こっか!」
朱里に言われ、私たちは小走りで駅に向かった。
その途中に、ボンと誰かにぶつかった。
「あ?いてーんだけど」
ぶつかったのは、たまたま運が悪くガラの悪いお兄さん。
「ご、ごめんなさい!」
私は慌てて謝って、また走り出そうとした。
でも、その手はパシッと掴まれた。
「お?これはこれは、桜龍のお姫様じゃねーか」
なんで私のことを、知ってるのー?