海の向こうで
そのあと、男達に車に乗せられ、私たちは古びた倉庫についた。
「入れ」
と男に言われ、私は無言でその中に入る。
倉庫の中を見渡すと、一番端にある目立たないソファにひとりだけオーラが違う男が座っていた。
「君が海華ちゃんだね」
そいつが立ち上がって、こちらに近づいてきた。
私は後ずさりする。でも逃げる広さもなく、あっという間に私は腕を掴まれた。
「なかなかの女じゃん。桜龍もやるね」
「…っ」
私はそいつを引き離そうとするが、所詮男の力になんて敵わない。
「海華ちゃん。あそこを見てみな」
そいつが指した方向を、私も見てみた。
「朱里…!」
そこには、朱里が手に手錠をかけられてぶら下がっていた。
しかも、さっきまで着てたブレザーを着ていない…?