海の向こうで
「まあ、とりあえずそこら辺でくつろいでなよ。僕今は何もしないから」
「…“今は”…?」
私は眉をひそめる。
「そう。“今は”ね。それとも、今すぐにやってほしい?」
「何を?」
「ピーッ(禁句)」
「は⁉︎これからする予定だったの⁉︎」
私はあんぐりと口を開ける。
絶対やだ。
初めて今日会った人となんか普通嫌でしょ。
「そうだけど?てかなんのためにここに連れてこられたか分かってる?」
「え、知らないけど」
「僕が海華ちゃんに興味があったからだよ。タイプじゃないけど、なんとなく興味があるっていうか」