海の向こうで
「あ、起きたか」
飛鳥が一番最初に目に映った。
そして次に視界に入ってきたのは…。
「海華〜!!!ごめんね、私が足手まといになっちゃったんだよねー!本当にごめん!」
朱里だった。
「ううん、結局はなにもされなかったし」
「お前、よくその怪我で言えるな」
と飛鳥。
あ、そうだった。
私、首怪我してたんだった。
「医者によると縫うほど深い傷じゃなかったみたいだけどかなり出血してたみたいだぞ?」
「うん…そうだよね。でも、私たちどちらも大きな怪我はなくてよかった」
「海華…!」
朱里がうるうると目を潤ませる。
「もう…好き!」
がばっと抱きつかれる。
「お取り込み中申し訳ないけど」
と冷たい声が聞こえ、私たちはさっと離れる。
声の主は海だった。
みたところ、海はなにも怪我していないみたいだった。
よかった。