海の向こうで
「海華…っ」
お母さんが私のことをぎゅっと抱きしめてくれた。
「海から事情は聞いたわ。暴走族ってのは、やっぱり危険なのね」
「お母さん…」
まさか、もう関わるな、とでも言いたいの…?
「でも、一回関わってしまって、海華はもう戻れなくなっちゃったでしょ?それなら戻らなくていいわ。これから護衛もつけてもらえるって聞いて安心したわ。強くて優しい護衛を選びなさいね!」
予想とはいい意味で違う言葉に、私の目からじわっと涙が溢れてくる。
「…お母さん…」
お母さんは、私を分かってくれてる。
そのことが嬉しくてたまらない。
多分前のお母さんだったら、暴走族なんてやだ!離れなさい!ってキツく言うと思う。
それは、私自身にも言えるかも。
だって、イメージがいい意味で違ったんだもん。
前は怖い、関わりたくない。そう思っていたけど。
でも今は、ちゃんと良さが分かってきてる。
知ることができて、本当に、よかった。