海の向こうで
「わー!!うみちゃんっ!!!」
玄関のドアを開けると、真っ先にお出迎えしてくれた日向ちゃん。
「俺へは何もないのかよ…」
と呆れる飛鳥をよそに、私は日向ちゃんに手を引っ張られてリビング・ダイニングに向かった。
「ねえねえ、何持ってるの?」
私の紙袋を興味津々げに覗く日向ちゃん。
「これ、日向ちゃんが好きかなーって思って」
と私はチョコレートを取り出そうとした。
けど、飛鳥にそれを止められる。
「ごめんごめん、これは俺がもらうやつだった」
と言って私からそれをサッと取る。
なんでと目で訴えても、飛鳥は教えてくれなかった。