海の向こうで



「ごめん、落ち着いた」



しばらくして、飛鳥がぽつりと呟いて私から離れる。



「離れないで…」



「え?」



え!



なんてこと言ってるの私!



かあっと顔が赤くなる。



「離れないで、って言った、よね…?」



飛鳥が尋ねてくる。



「う、うん…」



流石にこの距離で言った言葉についてしらばっくれる勇気はないので、素直に頷く。



「なんで?」



「なんで…」



私は首を傾げる。



なんで、こんなこと口走ったんだろう。



さっきのことを思い出してみる。



私、飛鳥が離れて寒いって思ったよな。



物理的にもはもちろんだけど、それに精神的にもそうだったかも。



ずっと一緒にいたい。



好き、…?



そういう、こと…?



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