海の向こうで
てか、遊び人みたいなのに根はちゃんとしてるんだ。…なんて言ったら私偉そうかな。
「で、何で海から逃げてたの?」
と春瀬さん。
「それはオレも知りたいな」
大西海、こっわ!
若干ビクつきながらも正直に答える。
「なんか…いきなりすぎて、怖くなっちゃって」
私は2人と目線を合わせないようにして答えた。
お母さんと私はずっと2人で生きてきた。
だから、大西海と、大西海の…ー本当は私の、でもあるんだけどー…お父さんと弟が一緒に暮らすのは違和感でしかなくて。
「…そっか」
意外にも、先に言葉を発したのは春瀬さんだった。