海の向こうで




そのあとなぜか用意されてたケーキと豪勢な夕食も食べて、すっかりお腹いっぱいになった私たち。



「わー、お腹がでかすぎてバイク運転できね〜」



と飛鳥。



「こっそり酒なんて飲んでるからでしょ」



私はビールの缶を嫌そうにつまむ。



暴走族では誰でもお酒を飲んでるのかと思ったけど、そうでもないらしい。



飛鳥以外未成年だし、飛鳥以外飲む素ぶりもなかった。



なんだか、…すごく、いい族なんだな。



ま、幹部室の冷蔵庫にお酒が用意してあるのはちょっとどうかと思うけど。



「日向も飲むか?」



と飛鳥。



え、日向ちゃん…?



絶対酔ってんじゃん。



「もう!目を覚ましてよね!」



私はぼすっと飛鳥にクッションを投げる。



「ん〜…」



飛鳥は眠そうだ。しかも私が投げつけたクッションをぎゅっと抱きしめてる。



「あー、こりゃダメだね。今日お酒飲ませなきゃよかった」



と嵐くん。



「飛鳥はお酒飲むとめっちゃ甘えてくるらしいよ」



「…そうなんだ…」



たしかになんかいつもより可愛く見えるっていうか…。



「ま、ここは入らないようにみんなに言っとくからいちゃいちゃしときなよ〜」



「えっ、バ、は?」



私の頭噴火しちゃうよ。



「あはは。ま、みんなお腹いっぱいだろうけど一応帰れるから」



た、確かに…。



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