海の向こうで
「とりあえずどくか…」
私は飛鳥から離れようとしたけど、なぜかがっちりホールドされてる。
所詮男子の力に敵うわけないか。
仕方ないから、私はそこでそのまま眠りにつくことにした。
***
翌朝。
私が目を覚ますと、昨日寝た場所とは違う場所だった。
明らかに寝心地がいいから多分ベッドだな。
え、それにしてもここどこ…。
起き上がると、誰かの腕がはらりと私の近くに落ちた。
隣を見ると、飛鳥が眠っていた。
…気持ちよさそうに寝てるし、起こさないでおくか。
私はとりあえず近くの洗面所で髪をセットした。
ヘアアイロンとか整髪剤とかは流石に持っていなかったから、少し水をつけて寝癖とアホ毛を直す。
その時に、鏡の中の自分と目が合った。
「ん…?」
ふと、首元が気になった。
昨日チクっとした方ーそこが、虫に刺されたみたいに赤くなっている。
まさか、これ…キスマ…?
気づいた瞬間、全身が熱くなっていく。
だって…こんなん、初めてだもん…。