海の向こうで



結局、私はさんざん悩んだ挙句2着のユニセックスのお洋服を買った。



1着は飛鳥のぶんで、もう1着は私のぶん。



え、めっちゃ嬉しいんだけど。



店員さんから袋を受け取った時から、もう嬉しくて嬉しくて。



飛鳥、これ貰ったらどう反応してくれるかな。



なんてウキウキした気分でいた。



「うみちゃん、ちょっと喉乾いたからカフェでも寄っていかない?」



と鮎斗くん。



「そっかごめん!私ひとりで買い物してるみたいな感じで鮎斗くんを放っぽっちゃったよね!ごめん、なんか奢るよ」



と私は言った。



「いやそういうつもりで言ったんじゃないから…!飛鳥さんへのプレゼント買ってお金あんまりないでしょ、俺が奢るよ」



「いやいやいや!今日は飛鳥のプレゼント買うからお金は多めに持ってきてるの!だからお金の心配はしないで全然大丈夫だから!」



「そんなこと言われても女の子に奢らせるのは男としてないから…!」



「じゃあ今日だけ私男になるから奢らせて…!」



と言うと、ぷっと吹き出した鮎斗くん。



「分かった。今日は奢ってもらうけど、今度は絶対奢らせてね?」



結局、そういうことになった。



***



「んあ〜美味しい、やっぱいいよね〜甘いものは」



「あ、そう…」



鮎斗くんが若干引いてるのがわかる。



だってこれ、甘いものを詰め込んだパフェなんだもん。



一番下には砂糖がたっぷりついたコーンフレークを少量の牛乳に溶かし込んだもの、次の段にはバニラアイス、そして3段目は沢山の生の苺が乗っかっている。



さらにその上からチョコレートのソースがかかっていてインスタ映えも抜群。



でも美味しいからいいもん♫



「くそ甘そう…」



鮎斗くん曰く



『甘いものはほどほどが一番いいんだ』



らしい。


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