海の向こうで
そんな思い気分で、私は久し振りに家に帰ってきた。
「ただいま」
「え⁉︎?海華じゃん」
なんと一番最初に迎えてきてくれたのは海だった。
「海」
私は海の格好をじろじろとみる。
だって、海がエプロンつけてるから…!
「ああ、今日たまたま帰ってきててさ。で俺が料理するから」
「へー、ありがとう!」
海は最近料理を始めたらしい。その理由は…。
「はーお腹すいた」
朱里の存在があるからだ。海はもう朱里と結婚していて、朱里が働きに出るみたいだから海が料理担当らしい。
暴走族の元総長が主夫か…と思うとギャップがすごいけど、でもなんだか海には不思議と合ってるんじゃないかって思う。
ちなみに海は一応まだ総長をやっているみたいだが、そろそろ他の人に譲ろうと考えているらしい。朱里のことを心配してるのが手に取るようにわかる。
普段は海たちは、ここから電車で10分くらいのアパートに住んでいるらしい。
もう同棲を通り越して結婚までしてるのが本当にすごい。