海の向こうで




「はあ…」




なんで海と隣なんだろう。



私は授業中にため息をついた。



なんかギクシャクしてる。



結局教科書をまた違うクラスの子に借りるのも悪いので、わざわざ机をくっつけて見せる羽目に。



私の学校は、だけかもしれないけど普段は机なんてくっつけたりしないから私のところだけ景色が違うから悪目立ちしているかもしれないな、なんて思ってしまう。



海は気にしてないみたいだけど、私はものすごく気にしてる。



あ、兄弟だし好きっていう意味じゃないよ。



海はカッコいいから、女子からの好奇と嫉妬が入り混じった視線がすごいってこと。



いくら兄弟だとしてもあんまり知らない人だし、この人が兄弟とかあんまり考えられない。


てかよく私と海を同じクラスにできたな、とも思う。



先生たちもちゃんと事情を聞いてるのかな。



もしかしたら海が言ってないのかもしれないけど。



気づかないのも無理はない。



だって海と私は全然似ていないから。



どちらかというと海は冷たい雰囲気がする。



ツンデレの、ツンが多めの感じかな。



ん?でもデレてるとこあんまみたことないな。



一回だけ、あるけど。



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