海の向こうで
そっか。
私は、“生きたい”んだ。
心は死にたいと思っても、身体が生きたいって言ってる。
…無意識のうちに。
今の私は、何もできない。
もう、手足を動かす力もない。息も続かない。
私の真ん中に収まっている心臓の鼓動が次第にゆっくりしていくのを感じる。ああ、これが命の終わりなのかもしれない。そう感じさえもした。
けど、まだ生きたい。
生きたいんだよ…。
そう思いながら、私は意識を手放した。