海の向こうで




「俺も行きたい!」



空くんがむすっとした表情で私達を見る。



「空にはまだ早すぎるな。中学生になったら紹介してやるから、その時まで待ってな」



「もう俺十分大きいもん!だからおにいのことだって守れるもん!」



と空くんが言った。



何この子、可愛すぎる…。



「おにいは自分で自分の身を守れるから、大丈夫だよ」



「やだ!おにいと遊びたい!」



という空くんに、海はこう声をかけた。



「空。オレが帰ったら、たくさん家で遊ぼう。それでいい?」



と言うと、空くんはちょっとだけ照れたような表情をした。



「わかった、絶対ね!」



というわけでようやく空くんを吹っ切り、私達は倉庫に向かった。



今日は海のバイクはほかの人に貸してあるため、電車+徒歩で倉庫まで行くらしい。



まあそれと、私への気遣いかもしれないね。



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