海の向こうで
…なんで彼女さんのことになるとそこまで機嫌が悪くなるのかな。
誰にだって踏み込まれたくないことはある。
だから私も気をつけなくちゃ。
***
その後、私は鮎斗くんとずっとおしゃべりをしていた。
幹部室に行くとまた嵐くんに会ってしまって、気まずくなってしまうかもしれないし。
海は知ってるのかな。
なんて、鮎斗くんと喋っている間にもんもんと嫌な考え方が出てくる。
「…うみちゃん?」
と鮎斗くんが心配そうに呼びかけてくれた声で、私は我に返った。
「ごっ、ごめん!それでなんだったっけ」
私はへらへらと笑いながら尋ねた。