海の向こうで
嵐くんが私を睨んでいるのではないとわかり、少しホッとしながら嵐くんがみた方向を見てみる。
そこには、真剣な表情をした海がいた。
「…空が、連れて行かれた」
と海。
「空くんが…?」
きっと、私たちのことをこっそりつけてきたのだろう。
その時に誰かに攫われてしまったのかもしれない。
「これはオレの問題だから、オレが行く」
と海。
「オレがいないとき、嵐はここを守ってくれ」
「そんな、俺もいくよ」
と嵐くん。
「…これは、オレひとりじゃないといけないんだ」
と念を押す海。
海が持っている紙には、黒色のサインペンで乱雑にこう書かれていた。