海の向こうで




暴走族ってのはよく分からないけど、たぶん自分たちの強さを争う集まりってイメージ。



それで幹部ってのはその集まりの中で特に強い人がなるのが普通らしい。



高校生もいる中、トップ5に入れるなんてすごい。



だからあいつらも敵わなかったんだ。



そりゃ、敵うわけないよな。



俺はあいつらがものすごく強くて、なにも言えないと思ってたのに。



もう二度とあんな思い、したくない。



もう誰にもあんな思い、してほしくない。



だから、俺は怪我が治るとすぐに



「喧嘩を教えてくださいっ!」



と海さんに頼み込んだ。



「お前、大丈夫なのか…?怖くないのか、あいつらとか」



とハの字に眉を曲げる海さん。



「頑張ります。どうしても、あいつらより強くなりたいから」



俺の気持ちが揺らがないと悟ったのか、海さんは俺の頭をよしよしとなでた。



俺の方が身長高いのに…!



っつっても2、3㎝くらいだけど…!




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