だから、言えない
第四章 仕組まれた夜
*
あーあーあー。
村薗さんはまだ落ちない。
やっぱり毎日電話を掛けて、
二、三回居酒屋で口説くくらいじゃ無理か。
まぁ…
これだけモテるのに、
彼女がいない村薗さんだからね。
一筋縄ではいかないか。
クリスマスまでに、
村薗さんを落として、
聖なる夜を一緒に過ごそうという計画は
上手くいきそうにない。
「塚尾」
げ、片林が呼んでる。
「何ですかぁ?」
「そろそろ忘年会の予約入れとけ。
12月23日だ」
23日か…。
24日だったら、聖なる夜を
村薗さんと過ごせたのに…
まあ、二人きりではないけど。