だから、言えない


「中学じゃなくてぇ?」
「いや、俺は優と同じ中学だったけど、
竹本はいなかったと思うぜ」

そっかぁ、
村薗さんと佐山さん、
同期でもないのにため口で
仲がいいと思ったら、
中学同じだったんだ。

「じゃあ、村薗さんと竹本さん、
高校の時、付き合ってたとか、
ありえますかねぇ?」
「知らね。
俺は別の高校だったし」

駐車場にいる二人は
相変わらず幸せそうだ。
村薗さんが竹本さんのスマホを
受け取って、
驚いたような顔をすると、
竹本さんが村薗さんに笑顔を向けた。

「っ……」

その時、佐山さんが
二人から目をそらした。
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