だから、言えない


塚尾さんが手を
バタバタさせながら言った。

「目玉焼きと、
ソーセージを焼いた」
「すごーい!」
「まじですかぁ?」

私と塚尾さんが
佐山さんに驚きの眼差しを向けている間、
村薗先輩はせっせと床を拭いていた。

「急にどしたんですか?
料理に目覚めたんですか?」

塚尾さんが聞いた。

「いや、この前竹本の家で、
一緒に料理したのが
地味に楽しかったから…」

佐山さんがちょっと照れながらそう答えた。

「えー?!
二人、そんな関係だったんですか?!」
「ちげーよ!
おい、塚尾。調子乗んなよ。
白々しい」

佐山さんが塚尾さんをにらんだ。


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