だから、言えない
「ことちゃん、
早くモップ洗ってくれる?
俺、片付けてくるから」
村薗先輩にそう言われて、
私は慌ててバケツの中で
モップの水を切った。
「先輩、すみません」
「いいよ」
はぁ…村薗先輩、
やっぱり目を合わせてくれない。
さっきの会話は何だったんだろう。
先輩はそんなつもりないって
言ってたけど、
絶対いつもと違う。
何だか、もやもやしたまま、
年内の仕事は終わって、
休みに入った。