だから、言えない
優の顔はとても辛そうで、
俺は見てられなかった。
そうだよな。
優が何の考えもなしに、
俺に嘘ついたり、
竹本を傷つけたりするはずがねぇ。
俺が言ったあんな夢のせいで
優は苦しんでたのか…
「もういいって、あんなの…。
お前が気にすることじゃねぇよ」
「気にするよ。
連は俺の親友だから」
「優…」
なんでお前はいつだって、
こんな俺のためにそこまでしてくれる?
友達もいなくて、
先生にも疎まれていたこの俺を、
お前は親友にしてくれた。
それだけでも、
俺は救われたのに、
俺の夢まで叶えようとしてくれてたのか?
「お前、一つ忘れてねぇか?
お前がどれだけ
竹本を拒絶するふりをしても、
竹本のお前に対する気持ちが揺るがないなら、
俺の夢なんて叶わねぇんだぜ?」
「そうだけど…」
「つまりさ、
これはお前一人が
どうこうできるもんじゃねんだよ。
成り行きにまかせるもんなんだ」
優はうつむいてため息をついた。
「もういいだろ?
お前、ほんとのこと言え。
あいつのことが……
竹本のことが好きなんだろ?」