だから、言えない
「すみません、聞こえてきてしまって…。
お二人は仲がいいんですね!」
ふぅ、と佐山さんが息を吐いた。
「別に、あいつ……
あ、いや、片林さんとは、
お前が思ってるような関係じゃねぇから」
佐山さんは私から目線をそらした。
「そうなんですね。
あ、でも、もし、二人が秘密の関係でも、
私、誰にも言いませんよ」
「秘密の関係じゃねぇから!」
「もし、ですよ」
「もし、もねぇから!
そんなんじゃねぇから、ほんと…」
佐山さんはポケットに両手を突っ込んで、
うつむいた。
その時、後ろから
ガチャガチャと音がして、
振り向くと、
塚尾さんが倉庫に入ってくるところだった。
「遅いから来てみれば、
倉庫で密会ですかぁ?」
塚尾さんが呆れた顔でいい放った。