だから、言えない
第三章 佐山 連
*
「村薗さん、コーヒー淹れたんですけど、
よかったら飲みますー?」
「せっかく淹れてくれたなら、
もらおうかな。
ありがとう、塚尾さん」
うーん……。
村薗先輩が私の家に来た夜、
塚尾さんから、
先輩に電話がかかってきたのを見て、
二人のことが急に気になり始めた。
そういえば、この二人、
最近仲がいい気がする。
それは私が意識してるからそう思うのか、
事実そうなのか…
あの時、先輩は電話にでなかった。
聞きたいことはたくさんある。
塚尾さんとよく電話するのか。
付き合ってるのか。
塚尾さんの用件はなんだったのか。