ある日、学校に監禁されました。 特別編
☆☆☆

「美聡!!」


気のせいだろうか?


今、あたしの名前が呼ばれた気がする。


だけどそんなはずはない。


あたしは今車の中にいて、一歩も外へ出られないままなのだから。


田代が死んで30分経過しているが、太一からの連絡はなかった。


「美聡!!」


もう1度聞こえてきた声にあたしはハッと息を飲んで顔をあげた。


血に染まる窓の向こうへ視線を向けると、見なれた男子生徒が走ってくるのが見えたのだ。


「太一……?」


信じられなかった。


太一だ。間違いなく太一だ!


あたしは自分の視界が一瞬にしてボヤけていくのを感じた。
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