ある日、学校に監禁されました。 特別編
熱を持った涙が頬を流れていく。


「太一!!」


あたしは返事をしながらドアを開け、外へ出た。


田代の遺体を飛び越えて太一の胸に飛び込む。


「美聡……なんでお前、こんなところに……」


太一の息は切れぎれだ。


それでもあたしの体を力強く抱きしめてくれた。


すぐにでも建物の中へ入らなければならないのに、もうそんなこともどうでもよかった。
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