ある日、学校に監禁されました。 特別編
あたしは手前で自転車を降りて近づいてみた。


「あの、ここは封鎖されてるんですか?」


「そうだよ。ここだけじゃない。隣町へ行く道はすべて封鎖しているから、通れないよ」


人の良さそうな顔をした警察官がそう言って教えてくれた。


「封鎖ってどういうことですか?」


「さぁ、まだ詳しくはわからないみたいなんだけど、とにかくこの町の住人を隣町へ移動させたくないらしい」


警察官の曖昧な返事に苛立ちを覚えた。


なにもわからないのに、上から言われたまま動いているみたいだ。


封鎖しなければならない理由も把握していなさそうだ。


カラーコーンの奥に見える隣町へ視線を移してみても、特に異常は感じられなかった。
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