値札人間
ゴウはすでにアマネの家に行く気満々のようだ。


どうしてゴウはここまでアマネのことを気に掛けるんだろう。


優しいのはいいことだけれど、少しだけ腹が立つ。


あたしはもうとっくにアマネとの関係はあきらめているのに。


「それなら、あたしが1人で行って様子を見てくる。だからゴウはちゃんと部活に出て?」


そうしないと、ゴウの数値は落ちてしまうだろう。


アマネなんてくだらない人間のために、ゴウの数値を減らすなんて論外だ。


「いいのか?」


「もちろん。あたしに任せて」


あたしはそう言うと、ゴウの肩を軽く叩いたのだった。
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