値札人間
☆☆☆

翌日、あたしはコンビニでゴウと早い時間に待ち合わせをしていた。


「おはよう」

制服姿で声をかけてくるゴウは昨日までと何も変わらない。


だけど照れ臭くて、あたしはゴウを直視することができなかった。


付き合い始めたというだけで、どうしてこんなに意識してしまうようになるんだろう。


昨日までの景色が180度変化したように見えた。


「おはよう」


「昨日のメッセージのことなんだけど…‥あれ、嘘じゃないよな?」


ゴウの言葉にあたしは「嘘なわけないじゃん」と、早口で言った。


ゴウとあたしは両想いだ。


それは薄々感づていたことだった。


「そっか。よかった」


ゴウが安心したようにほほ笑む。


「でも、ゴウはライバルが多いから心配」


「そんなに多くないだろ」


「多いよ。ゴウは気がついてないだけだよ」
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