値札人間
学校までの道のりを2人でゆっくりゆっくり歩いて行く。


「アンリだって気がついてないだけで、ライバル多いんだからな」


「なにそれ。あたし告白されたことなんてないし」


「それは男どもに勇気がないからだろ」


「ゴウだって同じでしょう?」


昨日、告白のきっかけをつくったのはあたしだった。


「確かにそうかもな……」


ゴウは頭をかいて呟く。


「ゴウはいつからあたしのことが好きだったの?」


「結構前から。でも最近余計に好きだなって思い始めてたんだ」


「どうして?」


聞くとゴウはあたしの頭をなでて「最近すごい頑張ってるから」と、言った。


「頑張ってる?」


「あぁ。勉強とかスポーツとか。先生たちも噂してたぞ? 成績も上がってきてるってさ」
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