値札人間
イツミは少し困り顔になった後「うん」と、小さく頷いた。


まだ考えているようだけれど、とりあえずはよしとしよう。


「よかったぁ! イツミなら絶対に信じてくれると思ってたんだよね! だってイツミの価値はクラス内で一番高いんだから!!」


あたしは大げさに安堵してそう言って見せた。


「え? あたしの価値ってそんなに高いの?」


「イツミ、自分では気がついてないかもしれないけど、かなり才能のあるすごい人だよ? おまけにボランティア部でしょう? 価値が上がるのは当然だと思うよ?」


あたしの言葉にイツミの表情がみるみる明るくなっていく。


「本当に本当? 嘘じゃないよね?」


「嘘ついてどうするの? あたしは一番価値の高いイツミだからこそ、この話をしたんだよ?」


「そっか……そうなんだ!」
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