値札人間
話題を変えるため、あたしは行列ができているかき氷専門店を指差した。


「ねぇ、あのお店すごい人だね! 美味しいのかなぁ?」


「今そんな話はしてないだろ?」


「え?」


「アマネのこと、気にならないのか?」


強い口調で言われて戸惑った。


どうしてゴウが怒っているのかわからない。


「どうしたの急に?」


「急にじゃないよ。俺何度もアンリに言ってきたよな? アマネのこと助けてやってほしいって」


「そんなこと言われても、無理なものは無理だよ」


あたしは思わず顔をしかめてそう言い返していた。


「ゴウだってわかってるよね? あたしが仲裁すれば、今度はあたしがイジメられる」


「だから、そうなったら俺が助けてやるって言っただろ?」
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