値札人間
保健室へ
休憩時間になってもいつものようにアマネと会話する気分になれなくて、あたしは1人で本を広げていた。
大好きな作家の最新作だったけれど、活字を目で追いかけても内容が全然頭に入ってこない。
本からチラチラと顔を上げてクラスメートたちの数字を確認してしまう。
あんな、得体の知れない数字なんて見たくないと思いながらも、つい気になって視線を向けてしまう。
「どうしたアンリ。今日はなんか様子が変だぞ?」
声をかけてきたのは屋島ゴウだ。
よく日焼けをしてスポーツ刈りのゴウは、あたしの目にはキラキラと輝いて見える。
こんな素敵な男子があたしの幼馴染だと思うと、自然と頬がにやけた。
でも、今日はそのニヤケ顔もすぐに引っ込んでしまう。
ゴウの額にも数字が見えるのだ。
「なんだよ、人の顔ジロジロ見て」
「別に……」
大好きな作家の最新作だったけれど、活字を目で追いかけても内容が全然頭に入ってこない。
本からチラチラと顔を上げてクラスメートたちの数字を確認してしまう。
あんな、得体の知れない数字なんて見たくないと思いながらも、つい気になって視線を向けてしまう。
「どうしたアンリ。今日はなんか様子が変だぞ?」
声をかけてきたのは屋島ゴウだ。
よく日焼けをしてスポーツ刈りのゴウは、あたしの目にはキラキラと輝いて見える。
こんな素敵な男子があたしの幼馴染だと思うと、自然と頬がにやけた。
でも、今日はそのニヤケ顔もすぐに引っ込んでしまう。
ゴウの額にも数字が見えるのだ。
「なんだよ、人の顔ジロジロ見て」
「別に……」