値札人間
「アマネ!?」


アマネは暗い表情で、今にも泣きだしてしまいそうな雰囲気をしている。


「今の、全部聞いてもらってたんだ」


ゴウの言葉にあたしは「は!?」と、眉を寄せた。


「今日、アンリとデートするって言うと、どうしてもアンリの気持ちが知りたいって言われて、それで呼んだんだ」


あたしは唖然としてゴウとアマネを交互に見つめた。


アマネは最初からあたしの話を聞いていたのだ。


ゴウも、それを知っていてあたしから色々と聞きだそうとしたのだ!


そう理解した瞬間、アマネに対して怒りがこみ上げてくるのがわかった。


「なにそれ。あたしの初めてのデートだってわかっててこっそりついてきたワケ?」
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