値札人間
☆☆☆

「イブキ君ってどこの高校から来たの?」


「お前すげー勉強できるんだってな? 今度教えてくれねぇ?」


「イブキ君は部活動とかどうするの?」


「めちゃくちゃイケメンじゃん。どうやったらそうなるのか教えてくれよー!」


イブキがクラス内で人気になるのに時間はかからなかった。


イブキはどうでもいいような質問でも、ひとつひとつ丁寧に答えていき、笑顔を絶やさない。


その対応を見て、イブキの完璧さに気送れしていた生徒たちもどんどん話かけていく。


イブキの机の周りはあっという間に人だかりができていた。


ここからじゃ本人が見えないくらいだ。


「すごい人気者だねぇ」


ヤヨイはその光景を呆然と見つめて呟いた。


「あれだけカッコイイんだもん。みんな集まるよそりゃあ」
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