値札人間
「なぁに?」
猫なで声でゴウに接近し、あたしのことなんて目に入っていない様子だ。
「アンリが変なこと言うんだよ。自分に顔になにか書かれてないかって」
ゴウの言葉にイツミは大きな目を何度も瞬きしてみせ、あたしの顔を覗き込んできた。
その距離感に一瞬椅子から立ち上がってしまいそうになった。
「別に、なにも書かれてないよぉ?」
イツミはそう言ってニッコリ笑う。
そんなイツミの額にもしっかりと数字が書かれていて、あたしは息を飲んだ。
12543。
やっぱり、全員がそれぞれ違う数字を持っている。
あたしの心臓はどんどん早鐘を打ち始めていた。
この数字がどんな意味なのかまだわからないが、自分にしか見えていないという不安感に押しつぶされてしまいそうだった。
「ご、ごめん。ちょっとお腹が痛いから保健室に行くね」
あたしは早口で言うと教室から逃げ出したのだった。
猫なで声でゴウに接近し、あたしのことなんて目に入っていない様子だ。
「アンリが変なこと言うんだよ。自分に顔になにか書かれてないかって」
ゴウの言葉にイツミは大きな目を何度も瞬きしてみせ、あたしの顔を覗き込んできた。
その距離感に一瞬椅子から立ち上がってしまいそうになった。
「別に、なにも書かれてないよぉ?」
イツミはそう言ってニッコリ笑う。
そんなイツミの額にもしっかりと数字が書かれていて、あたしは息を飲んだ。
12543。
やっぱり、全員がそれぞれ違う数字を持っている。
あたしの心臓はどんどん早鐘を打ち始めていた。
この数字がどんな意味なのかまだわからないが、自分にしか見えていないという不安感に押しつぶされてしまいそうだった。
「ご、ごめん。ちょっとお腹が痛いから保健室に行くね」
あたしは早口で言うと教室から逃げ出したのだった。