値札人間
「うわ、可愛い! こんなのあったんだ!」


まるで女子のように喜ぶイブキ。


あたしは次々にネコサンスタンプをイブキに送った。


最初のメッセージさえ送ることができれば、後はハードルが下がっていく。


そう思ってあえてスタンプの話を振ったのだ。


これから先あたしはイブキにメッセージを送りやすくなるし、イブキも返事がしやすくなるはずだ。


その時にネコサンスタンプを使えば、更に盛り上がるかもしれない。


こうしている間にもゴウはひとりで昼食を食べていることなど、あたしの頭には少しも過らなかったのだった。
< 169 / 226 >

この作品をシェア

pagetop