値札人間
殴られる!?


咄嗟に身構えて目を閉じたとき、「やめなよ」と、イブキの声が聞こえてきてそっと目を開けた。


見るとイブキがイツミの右手を掴んで静止している。


「だって、あたしはイブキ君のために……!」


「ありがとう。だけど、受け取れないものもあるんだ。本当にごめんね?」


イブキはイツミへ向けて頭を下げる。


その様子にイツミは右手を下げ、みるみるうちに顔を真赤にさせた。


今にも泣きだしてしまいそうだ。
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