値札人間
☆☆☆

家に帰ってからもイブキの笑顔が頭から離れなかった。


イツミからあたしを助けてくれた時の男らしい表情も。


あたしの手を握り締めてくれたぬくもりも。


あたしと出会えてよかったと言ってくれたことも。


すべてが夢のようだった。


あたしの勘違いじゃなければ、あたしとイブキの距離は随分と近づいてきているはずだ。


もう少し頑張れば、友達だと思ってくれるかもしれない。


ううん。


もしかしたらもう、友達くらいにはなれているかも。


だとすれば今度は特別な女の子……?
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